歯垢・歯石がつきにくくなるキャットフード

猫は人間と比較して、虫歯になりにくい動物といわれています。しかし、だからといって何も対策をしなくてもよいというわけではありません。飼い主による歯磨きも対策の1つですが、キャットフードで対策できるものもあります。
今回は、まず歯周病のリスクを説明した上で、歯垢や歯石がつきにくいキャットフードについて詳細をご紹介します。

猫と歯周病

猫も人間と同様、歯周病にかかるリスクがあります。特に3歳以上の猫はその80%が歯周病にかかっているといわれ、とても無視できる割合ではありません。歯周病はまず歯垢や歯石の蓄積から始まり、徐々に歯肉炎などに悪化していきます。酷くなると歯が抜けてしまい、キャットフードを食べられなくなってしまいます。そのため、普段からの対策が重要です。
予防の方法として、飼い主が歯磨きをしてあげる方法と、歯周病になりにくいキャットフードを与える方法の大きく2つが考えられます。

歯垢・歯石がたまりやすいキャットフード

まず、ウェットキャットフードは歯垢や歯石がたまりやすいキャットフードということを覚えておきましょう。確かにウェットキャットフードは嗜好性が高く猫の食いつきがよいのですが、その反面虫歯のリスクが大きくなります。
ウェットキャットフードは水分の量が多くて柔らかく、歯に食べカスが残りやすいです。唾液が多ければ食べカスも一緒に飲み込めるのですが、老猫になると唾液が少なくなり、ますます虫歯になりやすいので注意が必要です。

歯垢・歯石がたまりにくいキャットフード

では、虫歯になりにくいキャットフードはどういった特徴があるのでしょうか。その特徴の1つは大粒であることです。本来猫は餌を噛まずに飲み込む性質がありますが、大粒のドライキャットフードはそのまま飲み込めず、強制的に噛むという動作を引き出します。噛むことによって歯や歯茎にキャットフードが到達し、歯垢が定着するのを防ぎます。
また、大粒に加えてある程度の硬さも必要です。その硬さが歯の表面をこすることで、歯垢や歯石を削り落とす効果が期待されます。

そして、こうした特徴をもつ歯垢・歯石対策のキャットフードも販売されています。このデンタルケア用キャットフードは粒が大きく、硬めのキャットフードです。食物繊維も多めに含まれ、よく噛むことで唾液分泌を促し、より歯垢が定着しないように工夫されています。

4.歯垢・歯石がたまりにくいキャットフードを与える際の注意点

デンタルケア用のキャットフードを与える際、いくつか注意点があります。
猫は繊細な性格なため、いきなりキャットフードを変えた場合に食べてくれない可能性があります。その際、食欲増進のためにウェットキャットフードを混ぜて与えると効果が薄くなってしまうので、注意が必要です。
それから、専用のフードはコストもそれなりにかかります。その場合は主食として与えるのではなく、普段のドライキャットフードに少量混ぜることで効果を得ることができます。但し、時々与えるのではなく、歯石が定着しないよう毎日継続的に与えるのがポイントです。

しかしながら、歯垢・歯石対策用のキャットフードの効果は、歯磨きには劣ります。口内環境をより良く保ちたいのであれば、キャットフードでの対策だけではなく、飼い主が歯磨きをしてあげるのが良いでしょう。歯石が溜まってきた場合は、動物病院で落としてもらうこともできます。

まとめ

猫は虫歯になりにくい動物ですが、キャットフードの与え方や生活環境によっては歯周病から虫歯になるリスクがあります。一般的にウェットキャットフードよりもドライキャットフードの方が虫歯になりにくいです。歯垢・歯石がたまりにくいキャットフードも、専用の様々な商品が売られています。コストとのバランスを考慮し、取り入れていきましょう。
とはいえ、虫歯対策に最も効果が高いのは歯磨きです。歯周病が進行する前に、適切な手段で飼い猫の虫歯を守ってあげましょう。