pHコントロール用キャットフード

尿結石などを代表とする下部尿路疾患は、猫の病気の中で多い病気のひとつです。一度この病気にかかると、完治するのにとても時間がかかると言われています。
もしも下路尿路疾患にかかった場合は、フードでpHの値をコントロールする必要があります。pHとはペーハーと読みますが、水溶液の性質を表す単位のことです。
水溶液には酸性とアルカリ性があり、pHを0から14までとし、7を中性とします。

pHコントロールキャットフードの働き

pHコントロールキャットフードは猫の下部尿路疾患の予防やケアをするものです。
また、pHコントロールキャットフードは栄養バランスを調整し、ミネラル量を調整して猫の尿を正常なpH(6.0~6.6くらいの弱酸性)に調整します。

年齢や症状に合わせたpHコントロールキャットフードを与えよう

猫の尿結石には、成猫期の猫がかかりやすいマグネシウム由来の「ストルバイト結石」と、高齢期、老齢期の猫がかかりやすいカルシウム由来の「シュウ酸カルシウム結石」があります。

成猫の場合

ストルバイト結石は、尿のpH値が6.6以上で結晶化してしまいます。反対に酸性に近づくと結晶は溶けるのです。そのため、成猫の場合は尿のpHを酸性に近づける必要があります。

高齢猫・老猫の場合

老猫期に多いシュウ酸カルシウムは、pH値が6.0以下になると結晶化しやすいと言われています。

猫のpHコントロール用キャットフードは、それぞれの猫の成長過程を見て選ぶことが大切なのです。

pHコントロール用キャットフードを与える時の注意

食事で下路尿路疾患を改善させるには、ミネラル摂取量のバランスが大切です。子猫から成猫期の時期はマグネシウムを控えたキャットフードを与えることが大切です。そして、
高齢期の猫にはマグネシウムを控えるとともに、カルシウムの含有量にも気遣っているキャットフードを選ぶようにすることが大切です。
猫の尿結石は年齢で種類が違うので、医師の指示のもと成長過程に合わせたキャットフードを与えましょう。

ドライフードとウェットフードの併用も効果的

猫に与えるフードは「総合栄養食」であることが大事です。総合栄養食とは、そのフードだけを与えていれば健康を維持できる栄養バランスを考えたフードのことです。そして、下路尿路疾患の猫には成長過程に合わせたキャットフードを与えます。
また、猫のフードにはドライフードとウェットフードがあります。ウェットキャットフードはドライキャットフードに比べて水分が多いのが特徴です。尿路疾患の猫は水を多く摂取することが大切なので、ドライフードとウェットフードを併用して与えるのは尿路疾患の改善に効果的です。
そして、食事の回数は2回以上に分けてあげるのがよいとされます。猫は食事をすると胃酸が分泌されます。そうすると、体内の酸が胃に集中して尿に出される酸が減り、尿のpHはアルカリ性に近づきます。食事はたくさんの量を一回で与えるのではなく、1日に2~3回に分けて与えることで尿のpHが急激に変動せずにすみます。

まとめ

猫は尿路疾患にかかりやすい動物だと言われています。予防策として普段から水を飲ませるようにすることが大切です。新鮮な水を何箇所か置いておくことや、ウェットフードを併用して水分を与えるようにしましょう。
そして、pHコントロール用のキャットフードは猫の成長過程によって違うものになるので、医師の指示に従って正しいものを与えるようにしましょう。