猫がいつもよりも体を掻く回数が増えた、皮膚が赤くなっているなどの症状があったら皮膚病にかかっているかもしれません。猫の皮膚病の特徴と病気について、また、皮膚病になった猫にはどんなフードを与えたらいいのかを解説いたします。
猫の皮膚の特徴
猫の皮膚は非常に薄い
猫の皮膚は非常に薄く、私たち人間の皮膚の厚さの5分の1から6分の1程です。そして非常に伸びて柔らかく弾力性に優れています。この皮膚の弾力性により、猫同士の喧嘩などで致命的なケガをせずにすむのです。もしもケガをしていても、伸びた皮膚が傷口を隠してしまうことがあるので注意が必要です。
猫の皮膚の厚さは体の場所によって異なる
猫の皮膚の厚さは全身が均一ではありません。場所によって厚さが変わります。首から背中にかけては厚くなっています。これは猫の習性によってそうなったのでしょう。母猫が子猫を移動させるときに首のあたりをくわえて移動させます。また、猫同士の喧嘩の時に相手の首元に噛み付くことがよくあります。その際に大怪我にならないような体の構造になっているのでしょう。
猫の皮膚の構造
猫の皮膚は二層になっていて、外側の皮膚は表皮といい微生物の侵入を防ぎ、保湿をする役目があります。その下に真皮と呼ばれる皮膚があり、この真皮から分泌される脂肪酸が皮膚の乾燥や水分が失われないように皮膚を保護しています。また、この真皮にあるコラーゲン繊維が皮膚に弾力性と張りを与えるのです。
猫の皮膚は感覚器官でもある
猫の皮膚には数百万の神経末端があり、これが体温の管理をしています。急に触ると毛が逆立つことがありますが、それは皮膚に神経があり反応しているからです。寒いときなどは毛を逆立てて保温をするなど自分の意志で毛を逆立てることができるのです。
猫の皮膚病について
感染症が原因のもの
ノミアレルギー性皮膚炎
疥癬
耳ダニ感染症
ツメダニ症など
感染症以外のもの
クッシング症候群
心因性皮膚疾患
アトピー性皮膚炎
食物アレルギー性皮膚炎など
猫が皮膚病になった時
猫が皮膚病になった場合、まずは動物病院での受診が必要となりますが、皮膚病になった猫には食べ物から改善することをおすすめします。フードを見直すことで症状が軽減される可能性があるからです。
グレインフリー(穀物不使用)のフードを与える
猫は本来肉食の動物です。穀物を消化して吸収することが苦手な猫は穀物が多く入ったフードを食べるとアレルギーを引き起こす可能性があります。グレインフリーのフードはアレルギーの原因になる穀物が入っていないため、症状が改善することが期待できます。
良質なタンパク質が含まれているフード
猫の健康を維持するためには良質なタンパク質が欠かせません。良質なタンパク質にはオメガ3脂肪酸が含まれていて、そのオメガ3脂肪酸には皮膚の炎症を抑える効果があります。
オメガ3脂肪酸はサーモン、まぐろ、チキンなどに含まれています。フードの主成分がこれらの肉を使用しているものを選んで与えましょう。
羊や鹿の肉を使用したフード
アレルギーが出にくい食材である、羊や鹿の肉を主成分にしたフードを与えるという方法もあります。獣医師も鹿肉のフードをすすめる場合があります。ホームセンターなどでは手に入りにくいかもしれませんが、ペットショップやインターネットで取り寄せることができます。
数種類のフードを与える
同じフードを食べ続けることが原因でアレルギーが発症するという場合もあります。それを防ぐために羊や鹿の肉を主として、オメガ3脂肪酸が多く含まれているサーモンやチキンが主成分のフードもあげるといいでしょう。
まとめ
猫は自分で皮膚がかゆいなどと訴えることはできません。ですから飼い主が日頃から注意して様子を観察することが必要です。猫の皮膚病は食べ物によるアレルギーが多いと言われています。主成分に気をつけたフードを何種類かローテーションで与えることで症状が改善される場合があるので、愛猫のために気をつけてあげましょう。そして、シャンプーの頻度が多すぎないように注意し、日頃のブラッシングなどでスキンシップをとりながら猫の健康に注意してあげましょう。